SUITSアメリカ版の感想

映画・ドラマ

皆さん、SUITSというドラマはご存知ですか?

織田裕二さんと中島裕翔さん(Hey! Say! JUMP)が共演された日本版をご覧になられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。日本版はフジテレビの月曜日午後9時からの、いわゆる月9枠で2018年10月からのシーズン1と2020年4月からのシーズン2とが放送されました。

この日本版の元になったのが、アメリカ版のSUITSなのです。

アメリカ版は2011年から放送が開始され、毎年夏頃放送スタート、で、毎年新しいシリーズが放送されていました。そして、2019年に放送されたシーズン9で完結しています。9年も続いたんですから相当人気があったんですね。

さらに興味深いのが、ヒロインのレイチェルを演じておられたのがレイチェル・メーガン・マークルさん。イギリス王室のヘンリー王子とご結婚され、現在はサセックス公爵夫人となられています。このメーガンさんが最後に出演されたドラマがこの、SUITSというドラマなのです。メーガンさんのご結婚のため、メーガンさんの出番は、2017年放送のシーズン7までとなっています。

どうやって見る事が出来るかですが、私が使っているネットフリックスでは今のところ(2021年3月現在)、シーズン8まで見る事ができます。しばらく前まではシーズン7までしか見られなかったかと思うのですが、シーズン8も見る事が出来るようになったので、今後シーズン9が観られるようになる事を期待しています。

シーズン8まであるので、全部見ようと思うとかなり長いです。シーズン1は12話までですが、シーズン2からシーズン8までは、各シーズン、16話ずつあります。シーズン1からシーズン8まで見ようと思うと、12+16×7=124話分もあります。時間は有限です。皆さんにとって、こんなに時間を使ってまで見るべきドラマか、まずはそれが気になりますよね。

そこで、このドラマを観る事で何が得られるのか。たしかに、同じものを見ても感じ方はもちろん人それぞれです。ですが、平凡な一般人の私の一意見であれ、なんらかの参考になればと思い、書いてみました。

SUITSをお勧めできる人

私が考える、SUITSをお勧めできる人は、

  • アメリカの弁護士やロースクール留学に興味がある人
  • アメリカの法制度やその周辺事項に興味がある人。陪審制や証人尋問、刑務所、プロボノ活動など。
  • 職業倫理の具体的イメージを掴みたい人。特に士業やカウンセラーなど。
  • テンポのいい知的エンターテイメントを楽しみたい人。
  • 人情ドラマやヒューマンドラマが好きな人。

などです。

これらについて詳しく解説していきます。

アメリカの弁護士やロースクール留学に興味がある人

まず、アメリカの弁護士やロースクール留学に興味がある人にはとてもお勧めできます。舞台はアメリカのマンハッタンで1番の弁護士事務所。ニューヨークで1番のクローザーとの異名を持つハーヴィー・スペクターが主人公の一人なので、ニューヨークの一流弁護士の日常や雰囲気などを楽しみながら味わう事が出来ます。

ちなみに、クローザーとは、弁護士のうちで契約などを最終的に取りまとめる役目を担う者の事をいいます。

こんな凄腕弁護士が主人公なので、かなりキラキラした場面や大きな案件の話も出てきます。高級車やマンハッタンの高層階の見晴らしのいいオフィス、広い机など、憧れの対象となりそうなものがこれでもかと出てきます。

そういうキラキラした面とは別に、アメリカの弁護士にまつわるいろんなことがカルチャーショックばりにたくさん出てきます。

例えば、法廷外で証言を取る、と言った場面で、このドラマでは、どちらかの事務所で相手と差し向かいで座り、机の上に小型のビデオカメラを置き、相手に言葉で切り込んでいきます。上手く予想外のことを言って相手が慌てることもあれば、相手の思わぬ反撃にこちらが怯んだり、冷静さを失って取り乱して相手の思う壺にハマったりと、法廷外でのカメラの前での証言録取でいろんなドラマが繰り広げられていきます。お互いに弁護士がついて、緊迫感があ流やりとりやスリリングなやりとりが行われます。

また、裁判所では、陪審制ならではの駆け引きや気配り、パフォーマンスなども見ることができます。法廷でのやりとりもテンポよく展開されていきます。

例えば、裁判所で日本との大きな違いだと思うのが、日本だと対立当事者は右と左に分かれて相対して向かい合って座り、正面に裁判官がいる、という構図です。当事者同士は向き合っています。

一方、SUITSに出てくる法廷では、裁判官が正面にいるのは同じですが、当事者は横に並んで右と左に別れ、それぞれが裁判官の方を向いています。当事者は相手方の方を向いているのではなく、裁判官の方を向いているのです。この法廷の場面もよく出てくるので、このドラマを見ていると自然とこういう法廷の作りに馴染めると思います。

このように、アメリカの弁護士やロースクール留学に興味がある人におすすめです。

アメリカの法制度やその周辺事項に興味がある人

アメリカの弁護士だけでなく、その周辺事項についても問題意識を提起してくれます。刑務所内での暴力や民間企業との癒着・プロボノ活動についてのイメージなどです。

刑務所内での暴力や民間企業との癒着についてはかなりドキドキする展開で多くの時間が割り振られています。

実際に刑務所での暴力があるかは置いておいて、日本よりも怖い世界だな、と思ってしまいます。米国の経済や社会の格差の大きさには驚かされます。

また、刑務所に民間企業が関わることによる弊害も描かれています。公共的事業の運営に民間企業を関わらせることによって効率化や業務改善を目指そうという民営化は、メリットもある反面、このような弊害も起きる可能性がある、という具体的イメージを持てる上でもいいかと思います。

また、プロボノ活動、についても、プロボノ活動に対して持たれているイメージや現実はどうなのか、ということについても問題提起がなされているように思います。プロボノ活動とは、ボランティア活動の一種ですが、特に、普段は専門家として稼働している人が、その専門スキルや経験を活かして行う活動をいいます。専門家が自分の専門スキルを活かして行うボランティア活動、のようなイメージです。

一見、プロボノ活動をしている弁護士は心優しくて素晴らしい、というイメージを持ちがちです。でも、このドラマでは、

  • プロボノ活動をする弁護士は、企業法務をやる弁護士より能力が低い、というイメージがある
  • 企業法務をやる弁護士が事務所のイメージをよくする目的でプロボノ活動をすることがある
  • プロボノ活動専門の事務所が、資金不足で必要な活動を行えず、やむなく断念する事件もある

など、プロボノ活動に伴う問題点が具体的なストーリーの中で出てきます。もちろん、どんな活動にも正負の両側面があるのは当たり前です。プロボノ活動にも興味がある方には、このような問題点がある、ということも頭の片隅に入れた上でその問題点に陥らないよう、また、このような問題点を少しでも改善し、克服する道を探っていっていただけたらと思います。

このように、アメリカの法制度やその周辺事情に興味がある方にもおすすめです。

職業倫理の具体的イメージを掴みたい人

職業倫理に関することもこのドラマではよく出てきます。特によく出てくるのが、利益相反です。利益相反は、法律の中でも会社法を勉強していると特によく出てくるテーマだと思います。ですが、本の上で勉強していると、単に絵を描いてこことここがこうなっているから利益相反だろう、という、パズルみたいな捉え方しかできないことも多いかと思います。

ですが、このドラマを見ていると、利益相反になるから相手は手を出せなくなる、とか、自分が手を出せない、だとか、どっちのクライアント(依頼者)を優先してどっちを切り捨てるか、と言ったように生々しいストーリーの中で出てきます。ですので、会社法を学ぶ際に、学生さんや、利益相反などが問題となる業種についたことのない社会人の方にもイメージがつきやすくなるのではないかと思います。

また、このドラマではカウンセラーがよく出てきます。カウンセリングを受けるのは凄腕弁護士であるハーヴィー・スペクターやルイス・リットなど、物語の主要人物たちです。そして、彼らとカウンセラーとの関係がカウンセラー側の職業倫理に反しないか、という話も出てきます。この話が出てくること自体、私には、職業とプライベートとの境をしっかり区別していて学びになるな、と思いました。そういうことが当たり前のように、社会に浸透していることが、です。私の感覚では、仕事とプライベート、相談者と相談される側が公私の区別が曖昧になることは場合によってはしょうがないじゃないか、という感覚でいたのですが、アメリカではそのようなことをするとカウンセラー資格剥奪にまで及ぶ重大事項だということです。きっと、日本よりもだいぶ前から、カウンセラーとクライアントの間で問題が起こってきたという経験からそういう制度にまで発展したのだと思います。問題が起こったら制度として明確に対処していく姿勢は素晴らしいと思いました。

このように、職業倫理の具体的イメージを掴みたい人にもおすすめです。

テンポのいい知的エンターテイメントを楽しみたい人

このドラマ、とてもテンポよく進んでいきます。何せ、頭の回転が早い敏腕弁護士同士の会話、という設定ですからね。ですので、ちょっとした言葉や表情で事情が変わったことや気持ちの変化を表したりして、それがちょっと気をつければわかる程度に散りばめられているので、見ていて面白いです。具体的な法律の話になるとついていけない場面もありますが、とにかくこっちに有利な潮の流れか、相手に有利な潮の流れか、くらいに着目してストーリーの大筋を追えればいいのではないかと思っています。個々の事件の法律的な意味とかのややこしいことをわからなくてもそれだけでも十分楽しめます。

また、ハーヴィーやマイクは映画のちょっとした決め台詞なんかを言って話の展開にスパイスのように知的な味付けを加えてきます。私が見たことある映画でも、こんなセリフ気づかなかった、というものも出てきます。ま、ハーヴィーたちは賢いんだなー、と思って、気にしないでSUITSのストーリーを楽しみましょう。

相手をやり込める場面も、絶妙な会話で相手の弱点を突いたりするので、ハーヴィーたちの賢さや駆け引きの妙に惚れ惚れします。ずっと見ていると自分の頭も少しは回転が速くなったかのような感覚に陥るのが面白いところです。そのような効果が現実にあるかはわかりません。シナリオを作る人が上手いんだろうと思います。頭の回転が速くなるかなんてそんな野暮なことは置いておいて、純粋にエンターテインメントとして楽しめました。

このように、テンポのいい知的エンターテイメントを楽しみたい人にもおすすめです。

人情ドラマやヒューマンドラマが好きな人。

このドラマ、ぱっと見は知的なエリートたちの物語なんだと思ってしまいますが、実はヒューマンドラマです。恩の貸し借りなんてことがいろんな場面で出てきます。

敵に対しては容赦なく叩き潰しますし、プロボノ活動になんて興味も示さない企業法務の弁護士たちが中心のストーリーですが、その弁護士たちの中にも、人情に熱い人たちもいればなんの恩も感じず裏切ったり自分の利益だけ考える人たちもいたりと、各人各様。で、主人公側のチームでもそれぞれが思い出したくない過去や家族の問題や上手くいかない恋愛関係などを抱えていたりと、誰かしらどこかに親近感を覚える設定がされています。むしろ自分の身の回りより大変だなー、と思うようなこともしばしばです。

そして、完全無欠のようなハーヴィーやマイクでも、それぞれ欠点や間違いを犯すような場面も出てきます。でも、それらを、仲間達と反目したりすれ違いがありながらも助け合い、ストーリーが進んでいく。

どんなすごく見える人にも悩みがあり、欠点がある。でも、人は欠点があるから愛される。そんな言葉を思い出させてくれるくらい、人情や助け合いの大切さが大きなバックボーンとしてドラマ全体を貫いている、そんなドラマだと私は感じました。

というわけで、人情ドラマやヒューマンドラマが好きな人にもおすすめです。

時間がない人へ

それでも、シーズン8までなんて長すぎて途方に暮れるよ、という方もおられるかもしれません。

私もそう思いました。

ですので、万人におすすめできるわけだはありませんが、私は、途中から、1.5倍速でみていました。というのも、ネットフリックスでは、日本語音声と日本語字幕と両方オンにできるので、1.5倍速でも字幕を見ていれば大体のストーリーを追えるからです。

時間に余裕がないけど大まかなストーリーを終えればいいや、という方は、1.5倍速や1.25倍速での鑑賞もお試しください。

もちろん、時間に余裕がある方は倍速にせず楽しんだほうがもっとよく味わえると思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。この記事を読んでSUITSに興味を持たれた方は見てみてくださいね。

読んでいただいてありがとうございました。

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