「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」 あらすじと感想 後編

映画・ドラマ

前回の記事「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」のあらすじと感想 前編 の続きです。「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の公開が延期されたので、シン・エヴァンゲリオン劇場版を見るときにまた話の続きを思い出しやすいよう、あらすじや感想などを残しておきたいと思って書いています。ネタバレを含みますのでご注意ください。

13号機に乗るシンジとカヲル

シンジとカヲルは13号機に乗れとゲンドウに言われます。

シンジは「もう乗りたくない」「乗ったっていいことなかった」シンジの本心です。乗りたくないんだと。

カヲルはいいます。「エヴァで変わった世界をエヴァで変えてしまえばいい」なんと強引な。詐欺師とも思えるような強引な言い分です。大丈夫かおい、と思いました。

シンジは別の言い分を言います。「エヴァにはのるな、エヴァに乗ったら死ぬと脅されて首輪をつけられている」どうしても乗れないんです。もっともな理由です。自分の命を犠牲にしてまで乗る理由もないんですから。

これに対してもカヲルは回答します。なんと、首輪をカヲル自身が引き受けるのです。しかもいとも簡単に。カヲルが人間でない能力の持ち主であり、死をも恐れないものだということがわかります。そして引き受ける理由も言います。「元々は僕を恐れたリリン(人間)が作ったもの。いずれはこうするつもりだったんだよ」。カヲルくん(系の存在)対策の首輪だったことがわかります。それをシンジにつけていたということはシンジもカヲルくん系の存在に近い存在になっていたということでしょうか。他人の罪を引き受けるというのは、エヴァがモチーフとしている聖書に出てくる、イエスキリストの行為とダブるように思えます。

「2本の槍をドグマの爆心地(地下)から持って来よう、そうすればネルフもフォースインパクトを起こせなくなる、13号機とセットで使えば世界の修復が可能」「君とならできる。」とカヲルくんは言います。

「今の君に必要なのは、希望、贖罪、心の余裕、」

カヲルくんは三つとも与えようとしています。

希望:エヴァで変わった世界をエヴァで変えてしまえばいい。

贖罪:エヴァで変え直せばニアサードインパクトの罪として負わせられたものもチャラにできる

心の余裕:カヲルくんの「いつも君のことしか考えていないから」「2人一緒ならいいことがあるよ」などの言葉

そう言われているうちにシンジもやる気になります。「行こう、カヲルくん」なんだか詐欺師に上手く丸め込まれてて仲間に入れられた無知な少年、という構図が頭をよぎりました。

カヲルくんは誰の味方なのだろう、そう考える時があります。月から来てあらゆることを冷静に語るという立場から、完全にシンジの味方ではないだろうな、とは思いました。アニメ版でも使徒として現れて、ある意味シンジを騙すような役割でした。だから今回もシンジを騙そうとしているんじゃないか、そう思って見ていました。でも、「今度こそ君を幸せにするよ」そんな言葉を言っています。カヲルのいう幸せがどういう形なのかによって、シンジが本当に幸せになるかは決まると思うのですが、なんにせよ、今回のカヲルくんはシンジに好意的なような気がしています。

リリスの結界に侵入

リリスの結界に侵入します。14年間誰の侵入も許していないそうです。零号機っぽく見えるのはマーク9と呼ばれて死神が持つような鎌を持って13号機の護衛にあたります。

槍2本抜くには魂が二つ必要という設定です。死んじゃうのか?ってちょっと思いました。

カヲルが槍を見て「おかしい」「対の槍が必要なのに同じ槍に」アニメとダブります。カヲルは、全ての裏情報を知っているようで、実は知らされていないことがあってはめられた、という感じです。どうも、ゲンドウにまんまとやられたみたいです。

カヲルはシンジが槍を抜くのを止めようとします。現れたアスカもシンジを止めようとします。これ、アスカが止めに入らなければカヲルがシンジを冷静に説得して槍を抜くのをやめたかもしれません。

でも、シンジは止めずに突き進み、槍を抜きます。「みんなのために槍を手に入れる」「そうすれば世界は元に戻る」

第12の使徒を止めるための槍だった

槍を抜くと、リリスの骸が破れて第12の使徒が現れます。で、「私たちじゃ手に負えない」とマリはいいます。

カヲルが第1の使徒から第13の使徒へ落とされる

カヲルのセリフ「第1使徒の僕が第13使徒に落とされるとは」「始まりと終わりは同じというわけか」「いないはずの13番目」。意味がわかりません。次回作で明らかにされることを願います。

ゼーレとの別れ

「契約改定の時、これでお別れ」ということでゼーレに対しゲンドウが感謝の言葉を述べ、冬月が電源を次々落としていきます。どうも、かつての偉人たちが死んで肉体は滅びても、魂だけ、あるいは情報だけをプログラムとして残し、コンピューターで動かしていた、ということでしょうか。

「あなた方は魂の形を変えたとはいえ知恵の実を与えられた生命体だ。悠久の時を生きることはできても、我々と同じく、訪れる死からは逃れられない」と、死を背負った人類だということをいっています。

「死を背負った群の進化を進めるためにあなた方は我々に文明を与えてくれた」と、人類の進化を進めるために文明の発展に寄与した偉人たちだというように思えます。

「人類を代表し感謝します。」と、ゲンドウはゼーレの面々に対し礼を言います。と同時に、あなた方の役割はもう終わったというような冷たさも感じられます。

「死をもってあなた方の魂をあるべき所へ回収します。」と、ゼーレの面々に死をもたらす行為をしている所だということをゲンドウは言っています。

「宿願たる人類補完計画と」と、ゼーレは人類補完計画を宿願としていたということがわかります。

「諦観された神殺しは私が行います。ご安心を。」。ここで、諦観、とは、本質をはっきりと見きわめること。物事への執着を捨てて悟りを開くこと。などと言われます。激情に駆られての暴発的な神殺しではなく、人類の行く末まで深く本質まで考えて入念に進められた神殺し、いわば生命の創造の試みだという意味で捉えました。神は宇宙や生命の源としての捉えられないエネルギーを指し示すための言葉と捉えることができると思います。そのエネルギーの根源を殺す、というのは、観念的に、その他の代替手段を提示することで神の絶対性を揺るがすことを殺すと言っているのか、それとも、生命の根源たるエネルギーをもなくした上でも生き残れるよう、生命の仕組み自体をも変える試みなのか、それは今後の展開にもよるでしょう。ただ、後者の方によるならば、ゲンドウは人間という肉体を捨てての生き方を選択することを意味するわけでしょうから、そうなると、結局自分を滅ぼすことに繋がるんじゃないかなんて思ってしまします。人間の作ったシステムなんてどっかで綻びとかあったりしますからね。

「我らの願いは全て叶った。良い。全てこれで良い。人類の補完、安らかな魂の浄化を願う」

13号機覚醒

13号機の目が四つになり海を飛び出し白くなります。エヴァはアダムスの生き残りとのこと。フォースインパクトの始まりの儀式といわれます。

シンジはとんでもないことをしたと悔やみます。

カヲルくんが話します。

「僕が第13の使徒になってしまったからね。僕がトリガーだ。」シンジを慰めようとして行っているのか。シンジが少し慰められたように思いました。

「魂は消えても願いと呪いはこの世界に残る。意思は情報としてこの世界を変えていく。」「いつか自分自身のことも書き換えていく。」意思という、見えないものの持つ力。情報が自在に世界を行き交う現代、私たちは情報を動かすのは意思、つまり、ある人がこうしたいとかこうしよう、と望んだ結果である、ということを忘れがちではないか。でも、情報は単に情報だから当然存在するわけでなく、その情報を残そう、伝えよう、拡散しよう、そう望んだ人がいたから残っているわけで、全く意思の絡まない情報はないと言ってもいいかもしれません。まあ、意思の絡む程度はさまざまで、AIによって自動判別された情報や、ついうっかりで流されたり残ってしまった情報などもあるかもしれませんが、意志が強く関与している情報もあるはずです。意志を強くもって生きていけば、情報となって周りの世界をも変えていけるし、自分自身の情報、例えば、考え、固定観念、習慣、さらに言えば遺伝子情報など一見意思と関わりない所にまで意思は影響を及ぼしているのかもしれません。そんなこんなで、よく考えてみるとなかなか深いことを言っているのかもしれないと思います。

「それが君の望む幸せだよ」カヲルくんが言っていた、「今度こそ君を幸せにするよ」の答えがここで語られています。つまり、自らの意思を持って欲しい未来を望むことで世界を変え、自分自身をも変えていく、それこそがシンジの望む幸せだというのです。つまり、主体的に未来を作っていくことこそシンジの幸せに繋がると言っているのだと思います。

「ガフの扉は僕が閉じる」あのぐるぐるのブラックホールのような丸い模様のことでしょう。どうやって閉じるんでしょう。

「何を言っているかわからない」出ました。カヲルくんにシンジがいう名台詞。これは、エヴァがモチーフにしていると思われる聖書でイエスがユダヤ人たちに暴言を吐かれているときのイエスの言葉を彷彿とさせます。「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです。」(ルカ23:33〜34)

聖書では、

  • イエス:わかっている人。犠牲になる。「彼らは〜わからない」と言う。
  • 迫害者:わからない人。殺す側。

という構図です。一方、エヴァでは

  • カヲル:わかっている人。犠牲になる。
  • シンジ:わからない人。殺す側。「自分は〜わからない」と言う。

と言うように、わからないというセリフを言う立場を入れ替えながら、よく似た構図だと思います。

これは、カヲルを、十字架で犠牲になったイエスキリストと結びつけたのだと思います。カヲルをイエスキリストと結びつけて考えられている箇所は他にもあります。

「始まりと終わり」カヲルを表す描写としてよく出てきます。例えば、アニメ版24話のタイトルは「The Beginning and the End, or “Knockin’ on Heaven’s Door”」です。

で、聖書では、

「わたしはアルファであり、オメガである。 最初の者にして、最後の者。 初めであり、終わりである。」 (『ヨハネの黙示録』 22章13節)  

と神やキリストを描写しています。

こう言うことから考えると、イエスキリストが人類の罪のために贖罪の生贄としての意味合いを持って十字架で処刑されたこととパラレルに、カヲルくんも、シンジの罪を贖う贖罪の生贄としての意味合いを持ってこの映画で犠牲になったのではないかと思います。

13号機は自分で自分を槍で刺します。+マリのおかげでシンジが外に出ます。そのことでガフの扉が閉じ、フォースインパクトは終わります。

「また会えるよ、シンジ君」これはどう言う意味なのでしょう。聖書ではイエスは十字架で殺された後復活しています。カヲル君も復活するのでしょうか。

この大きなインパクトが終わった後

ゲンドウ側:「ひどい有様だな。ほとんどがゼーレの目論見通り」「ゼーレの少年を排除し、13号機の覚醒へと導いた。」「今はこれでいい」

リツ子・ミサト側:「誰のおかげかわからないけどフォースインパクトは止まった」「今はこれでよしとしましょう」

2チームとも、今はこれでいいと言うことを言っています。今後の展開次第ということなのでしょう。

場面が変わり、がシンジを見ていいます。「ガキシンジ助けてくれないんだあたしを。また自分のことばっかり」

アスカの言葉が気になります。

まず、レイに対して、「綾波タイプの初期ロットか」、と言います。なんか開発側の人間みたい。

そして、大きなショックはここです。「リリンが近づけるところまで移動するわよ」アスカが人間のことをリリンと言っているのが気になりました。今までリリンと言ってたのはカヲル君だけだったのに。もしかすると、アスカもカヲル君と同じような側の生き物なのか?というか、シンジも人間じゃないのか?みんなクローン人間なの?そんな疑問が残る終わり方でした。

シンジはSDATを落として行きます。これをレイがどうしたか、気になるところです。3人で赤い大地を歩いて行く場面で終わります。

まとめ

みなさん、いかがでしたでしょうか。

私は今回、エヴァシリーズを初めて見ました。アニメと映画と一気見しました。Q当たりになると目が疲れてきましたがなんとか見終わりました。それにしても複雑な設定ですね。シン・エヴァンゲリオン劇場版はどんな展開になるのでしょうか。そしてカヲル君はまた現れるのでしょうか。そしてシンジやアスカは何者なのか。ゲンドウはどうなるのか。冬月とゲンドウとユイの関係はどうなるのか。気になりますね。楽しみにして待ちましょう。

長い文章を読んでいただきありがとうございました。

コメント

  1. […] 長くなったので、続きは後編として書こうと思います。 […]

タイトルとURLをコピーしました