愛の不時着 見終わりました!ネタバレあり

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愛の不時着、見終わりました!トラブルの連続のドラマだったので、ようやく2人が安全な場所に着地してくれて、安心しました。では、このドラマを通して感じた感想を以下に書きます。まず、この物語は全てフィクションだ、という事は大前提として頭の片隅に置いておいて下さいね。

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目次

愛、って何?

この物語には、様々な人間関係が出てきます。北朝鮮の有力者の息子と韓国の財閥令嬢が主人公という、かなり特殊な状況設定で、ある意味、自分とは関係ない世界のように感じる事ができます。そして、そこで出てくる愛の示し方も、私達が普段想像するのとは違う愛の示し方が描かれています。

1番は、ヒロイン、ユン・セリがどんなピンチの時でも間一髪で現れて助けるヒーロー、リ・ジョンヒョク。現実世界ではほぼ実現不可能な場面が何度も出てきて、その度、ハラハラしながらも、大いなる期待を込めて「ジョンヒョク、早く来て〜」と願うようになっていきます。日本の王道ヒーロー物、水戸黄門のような絶対的ヒーローです。

ですが、物語の中盤から、ジョンヒョクも無傷ではセリを守れなくなってきます。それに加えて、ジョンヒョクの家族、リ家にまで悪者が触手を伸ばしてくる、という展開になってきます。ジョンヒョクのヒーロー性の絶対性が揺らいでくるのです。

ここで愛が試される展開となります。ジョンヒョクはどんな時も、セリへの愛を最優先に考え、行動します。それが、例え、自分の命やリ家の権威にとって不利になりそうでも。そんなジョンヒョクに対し、ジョンヒョクの両親も権威と命をかけてジョンヒョクを守り、願いを叶えようと協力します。父親は自分の権力を活用して仲間をジョンヒョクの元へと送りこみます。母親は、父親がジョンヒョクを諦めてリ家の地位の維持に傾きそうな時に、命をかけて父親を思いとどまらせ、ジョンヒョクを守ろうとします。母親がそこまで命をかけたのは、ジョンヒョクとセリの互いの想いが本物の愛だと見抜いたからでした。お互いの愛が周りの心を動かし、結果として自分達の身をも守る結果になったのです。

家族って何?

前述のように、一家団結してジョンヒョクを守ろうとした、北朝鮮の軍人一家、リ家。兄は数年前亡くなっていますが、家族愛が感じられます。

それに対し、韓国の財閥一家であるセリの家族、ユン家では、兄弟の心はバラバラです。互いを、財閥トップの座を争う競争相手としてしか見ていません。セリの兄弟は、長兄、次兄。セリも含めて3人兄妹でセリは末っ子で婚外子という設定です。セリは小さい頃、継母に海に捨てられた事が心の傷になり、母親の事を信用していません。セリは家族の中で1人孤独に生きてきました。そのため、人を観察する目が鋭くなり、婚約者として紹介された人を詐欺師と見抜くほどにもなります。

セリがいなくなった時、セリの兄弟は、セリが戻って来ない事を願います。そして、次兄は、あろう事か、生存が確認できたセリを、誰にも気づかれないうちに殺そうとさえします。

そんな事情を予測してか、セリは、誰も自分が帰る事を望んでいない、とジョンヒョクに言います。でも、大好きな兄を失って寂しい思いをしたジョンヒョクは、家族はセリの生還を望んでいる、とセリに言います。セリの言った事の方が正しい事をセリもわかっていたと思いますが、ジョンヒョクの兄弟観が、ジョンヒョクの心の純粋さを物語っているようです。金や地位のせいで本来大切な家族の愛情が薄まってしまう、むしろ憎さの方が大きくなってしまう。骨肉の争いと言いますが、人間社会の悲しい現実がこの物語にも反映されているようです。

出てくる家族はこれだけではありません。

ジョンヒョクの婚約者、ダンの家族。母親が主導権を握る母子家庭、ダンは母親のいいなりで、母と娘の関係が異様に濃い事が、ちょっとおっちょこちょいで地位の高い母親の弟も加えてユーモラスに描かれています。ここでは母親の決めた物事からいかに巣立ちできるか、娘の独立物語としての面白さがあります。

「耳野郎」ことマンボクの家族も出てきます。マンボクの子供は、父親が耳野郎、ということで他の同年代の子供からいじめられます。でも、父親の、穏やかで優しい性格を思わせる教えを心に留め、いじめに耐えます。マンボクの妻も、村の女性陣の中では決して発言力のある方ではない様子。それでも、健気にマンボクと子供を支える姿が描かれています。まだ村に来たばかりのセリを思いやる場面も出てきて、心が純粋な家族なんだろうな、と思わせられます。そんな愛情溢れる家族でもお金がない、地位もない、だと不利な目にあう、ってのが不条理だな、なんて悲しくなったりもします。でも、地位も力もないのに優しくいられる、って、本当に心が強い人でないと出来ないですよね。自分の身の危険を冒してまでジョンヒョクに過去の事を明かしたマンボク。彼が味方になっていった場面は見ていて心が救われた気分になりました。韓国に行ったマンボクが明るくユーモラスになっていくのも、見ていて楽しいですよ。

その他にも、様々な家族が出てきます。家族群像に注目して見てみるのも面白いかもしれませんね。

顔で心情を表す演技が秀逸

ジョンヒョクは無表情で感情をあらわにしない性格で、しかも軍人で容易に敵に内情を悟らせまいとする、という設定のため、ジョンヒョクは無表情で、本心に無いことを言ったりします。それでも、私は、見ていて感極まり、涙する事がしばしばありました。ジョンヒョクを演じるヒョンビンの表情の演技が秀逸だからかなと思います。ヒョンビンの表情、それだけでもとても見どころがあります。怒りと心配が同居するシーン、心配と安心と愛情が同居するシーンなど、複雑な心情のシーンを見事に演じています。無表情からじわじわ目元が赤くなっていき、目元がじわじわ潤んでいくシーンなど、どの場面、というわけではないですが、今でも思い浮かぶ程です。

もちろん、ヒロインのセリ、葛藤を抱える耳野郎、口は悪いがなんだか愛情を感じるピョ・チス士官長など、表情も演技も秀逸な役者さん達が周りを固めています。演技の秀逸さも見どころの一つかと思います。

スイスの景色が美しい

時々出てくるスイスの景色。とても美しいです。主に回想場面としてでてくるのですが、雄大なスイスの山々や湖を背景に、ときにはピアノの調べとともにでてくるので、これだけでもロマンチックな気分になります。しかも、1人だけでいたりとか、孤独な心情でスイスにいる、というような場面も多く、孤独さとそれを包み込んでくれそうなくらい雄大な自然、という対比が、妙にリアリティを感じました。

旅で見る景色って、素晴らしい景色だけど、それは景色であって、孤独を感じている自分を本当に癒してくれる存在ではない。やっぱり孤独さを抱えながら旅は続くんです。景色だけでは完全には解決出来ない。むしろ、孤独さが際立つかもしれない。だって、周りには、愛する人達と一緒に来ている旅行者ばかりに見えるから。孤独を感じているのは自分だけ、って思っちゃいがちなんです。

でも、連れがいるからと言って、孤独じゃないとは限らない。それは、ダンと一緒に来ていたのにダンとたいして話もせず写真ばかり撮っていたジョンヒョクや、そのジョンヒョクを見て寂しさを感じていたダン。2人は一見楽しそうなカップルに見えたかもしれないけど、心は通じていない、孤独な一人一人だった訳です。

そんな孤独な人を映しているのに、圧倒的な美しさの景色が、心を和ませてくれて、寂しさを中和させてくれる気がしました。

そしてラストシーン。ついにその美しい自然の中で一番愛する人と過ごす穏やかな喜び。それまでの孤独さの背景として映し出された自然が、ついに愛の彩りをもって映されるシーンで物語は幕を引きます。

何をして、どこにいるか、も大事だけど、誰と一緒にいるかがもっと大事。そんな事を思い出させてくれる、スイスの美しい景色が、このドラマのもう一つの見どころです。

まとめ

1話あたり1時間10分〜1時間半で16話もある、愛の不時着。連続で見ていると、正直、長いな〜、と思ったこともありました。幸せな結論に着地するんだろうか?早く幸せなところに着地して欲しい。そう思いながらハラハラしてみた16話でした。やっと幸せな地点へ着地してくれたー、という安心感をもって今日は寝る事が出来ます。

北朝鮮と韓国の国の隔たり。それがある事を踏まえた上でどこが幸せの着地点なのか、物語の中でも、幸せな着地点はコレ、とははっきり想像できませんでした。だって、ジョンヒョク自身にとっては韓国でセリと一緒にいるのが幸せだろうけど、そうなると北朝鮮に残された親はどうなるんだろう、かと言って一家皆で韓国に移住しても馴染めなそうだし。それに隊員達も韓国の方が幸せに過ごせるだろうけど、残された家族は、どうなるんだろう。あちら立てればこちらが立たず。色々考えたけど、こうなれば幸せ、という着地点がわかりませんでした。

そして示されたドラマの結末。現実社会での幸せな着地点はまだ私にはわかりませんが、少なくともドラマの中の2人が、私の想像よりも幸せな着地点に降りられた事は、私のささやかな幸せの一つになりました。

愛の不時着は、動画配信サービス、ネットフリックスのオリジナル作品です。興味がある方はネットフリックスで見てみて下さいね。

読んで頂き、ありがとうございました。

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