3月上旬に申請した、配当控除・外国税額控除の還付金が無事振り込まれました。とても面倒くさかったので、体験談も交えながら、私の理解でざっくり解説してみたいと思います。より正確な理解にはこちらの動画を参考にしてください。
私は、この動画を見る前にいろんなサイトを参考にしてウンウン唸って確定申告しました。皆さんはこの動画を参考にして配当控除にチャレンジしてみてください。自分でやってみたおかげで、この動画の大筋はすんなり理解できました。
ですので、上記のリベ大の動画では難しい、と思った方向けにざっくりと解説してみました。
前提として、特定口座(源泉徴収あり)で資産運用をしている場合を対象としています。もちろん、特定口座(源泉徴収あり)だと、確定申告する義務はありません。しなくてもいいんです。ですが、確定申告した方がお得になる場合があります。この記事では、確定申告した方がお得な場合に具体的にどのようにすればいいか、私が悩んだことも含めて書いていきたいと思います。
手順
まず、手順を解説します。
- 「特定口座年間取引報告書」を準備
- e-taxで確定申告
- 住民税申告不要の手続きをする
というのがざっくりした手順です。
「特定口座年間取引報告書」を準備
配当金についていろんな書類やお知らせが来ますが、確定申告で必要なのは、毎年1月に来る、この「特定口座年間取引報告書」という書類だけです。その他の、各会社から来る、「配当金はいくらいくらです〜」というお知らせは、確定申告には不要です。
この、「特定口座年間取引報告書」は、証券会社や設定によって、郵送で紙で来る場合と、証券会社のサイトから自分でダウンロードしないといけない場合があります。
私の場合、
- SBI証券は紙の書類タイプ
- SBIネオモバイル証券・楽天証券はサイトからダウンロードするタイプ
という形でした。
確定申告する時点では、「特定口座年間取引報告書」の中に書かれている情報さえあれば大丈夫なので、ダウンロードタイプの場合、ダウンロードしたデータ自体を見ながら国税庁の確定申告コーナーで数字を打ち込めば大丈夫です。ただ、後で出てくる、住民税申告不要の申し出の際には紙自体を自治体に提出する場合が多いと思いますので、この段階でプリントアウトしておいてもいいかもしれません。
追記
SBI証券についても、2021年度分からは「電子交付サービス」を利用できるようになったので、事前に「電子交付サービス」に切り替えておきました。
おかげで、2021年度分についてはサイトからダウンロードする形でデータを取得でき、保管方法が共通になったので楽になりました。
e-taxで確定申告
必要書類を準備したら、e-taxで確定申告する段階に進みます。配当控除・外国税額控除くらいであれば、会計ソフトなどがなくても、国税庁のHPの確定申告所作成コーナーで項目に合わせて入力していけば十分確定申告書が作れます。
そして、マイナンバーカード・ICカードリーダライタなどをお持ちであれば、そうやって作った確定申告所を、e-taxで確定申告をすることで、一歩も家から出ずに確定申告を済ませることができます。
申請した確定申告書の控えは、ダウンロードしておきましょう。なぜなら、この確定申告書の控えをプリントアウトしたものを、後の、住民税申告不要の手続きの際に役所に提出することになるからです。
住民税申告不要の手続きをする
さて、確定申告がうまくできた後、ここで安心しては片手落ちです。画竜点睛を欠く、というようなものです。配当控除をしたのなら、住民税申告不要の手続きも視野に入れましょう。
住民税申告不要の手続きの具体的なやり方は、市区町村によって異なります。ですので、「住民税申告不要 〇〇市」で検索して、ご自分の住んでおられる市区町村の申請書を見つけてください。「上場株式等の所得に関する住民税申告不要等申出書」などのような名前の申請書です。市区町村によっては、ホームページからダウンロードできる場合もあるので、その場合はわざわざ市区町村役場まで行って申請書を取ってこなくていいので便利です。わたしの住んでる市ではホームページからダウンロードできたので、印刷して使いました。
そうやって印刷した申請書に、必要事項を書き込みます。その際、住民税申告不要の申し出をするための書き方、書式は市区町村によって微妙に違っています。私は、自分の住んでいる市区町村が掲載している記入例でははっきりわからない部分があったので、いくつかの市区町村の申出書の記入例を参考にして記入しました。
この際、悩んだのは、住民税申告不要等申出書に出てくる、「住民税の源泉徴収税額」が、確定申告書の控えや特定口座年間取引報告書のどの欄から書けばいいか、ということでした。結論から言うと、確定申告書の控えの、「申告内容確認票B」の下の方の、「住民税・事業税に関する事項」と言う項目にある「配当割額控除額」と言う項目に書かれている金額を書けばいいようです。
この、確定申告書の「配当割額控除額」と言うのは、特定口座年間取引報告書の「配当割額(住民税)」の額を合計したものになっています。
式で表せば、
と言うようなイメージでしょうか。
つまり、徴収するべき住民税全額から、「配当割額」を差し引いた(控除した)残りを、残りの住民税として役所は徴収しなければならない、という意味で、「配当割額控除額」と言う形で「控除額」と言う言葉がついているんだと理解しました。同じ金額を、違う言葉で表しているのが、ややこしいなと思いました。
住民税申告不要の手続きの際に必要な書類は、自治体によって異なると思いますが、私の住んでいる自治体では、
- 運転免許証のコピー
- 確定申告書の控え
- 特定口座年間取引報告書のコピー
などが必要とされていました。ですので、確定申告書の控えをや、ダウンロードタイプの特定口座年間取引報告書をプリントアウトあする必要があります。書類タイプの特定口座年間取引報告書はコピーしましょう。
そして必要書類を準備したら、市区町村役場へ住民税申告不要の手続きをしにいきましょう。
以上の手続きをする意味
以上の手続きをする意味は、
もともと、特定口座(源泉徴収あり)だと
- 所得税を源泉徴収で
- 住民税を源泉徴収で
となっていたのを
- 所得税を総合課税で
- 住民税を源泉徴収で
という形に変えて納税するためです。住民税まで総合課税にしては住民税の金額が大きくなるので、住民税は源泉徴収にとどめておくためにするのが、住民税申告不要の手続き、というわけです。
追記
令和4年分までは上記のように申告すればよかったのですが、令和5年分(2023年分)の確定申告から、
- 所得税を総合課税で
- 住民税を源泉徴収で
というようにそれぞれ異なる形で納税することはできなくなりました。
つまり、所得税を総合課税で納税するのであれば、住民税も総合課税で納税しないといけなくなったのです。
ですので、令和5年分以降の確定申告の際は、ご自分の所得ではどちらが納税金額が少なくなるかを計算して、配当控除・外国税額控除を使うかを決めてくださいね。
注意点
配当控除を申告しない方がお得な場合もあります。所得金額や扶養など、ご自身のケースに当てはめて判断する必要があります。上記の「両学長 リベラルアーツ大学」の動画でも触れられていますので、参考になさってください。
私が確定申告する際に参考にした動画
私が確定申告する際には上記の「両学長 リベラルアーツ大学」の動画はまだ出ておらず、以下の動画を参考にしました。
こちらの動画は会計士さんの動画です。こちらは細かく解説されていてわかりやすいです。特に、配当控除しない方がいい場合なども具体的に解説されています。私は、一度では理解できず、何度も見ました。
こちらの動画は、具体的な国税庁のホームページの画面を使っての説明で、大変わかりやすいです。私は、この動画を止めて見ながら具体的に国税庁のホームページで入力しました。
まとめ
皆さん、いかがだったでしょうか。私も初めての配当控除・外国税額控除だったので、本当に難しかったです。でも、今はいろんな方が初心者向けに解説動画や解説記事を出してくださっているので、高配当株初心者の私でもなんとか配当控除・外国税額控除の確定申告ができました。
初めての方には大変かと思いますが、チャレンジ精神のある方は挑戦してみてくださいね。
読んでいただいてありがとうございました。
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